6月の雨の庭

中3女子、中1男子ふたりの子どもがいる、40代も半ば過ぎたところにいる母の日記です。

伊藤比呂美さんのお話を聴いてきた

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夏休み直前から3連休を過ぎてなお予定が続いていた。すっかり夏になって「酷暑」というくらい暑い日が続く。暑さか強い日差し(光)なのか頭を傾けると、つーんと頭が痛くなったのだけれど、それにもようやく慣れた。
 
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3連休最後の日には、伊藤比呂美さんのお話を聴きに出かけた。出かけたよかった!結婚前にたまたま読んだ「良いおっぱい悪いおっぱい」に始まり、長女が生まれた年には「伊藤ふきげん製作所」を読み、ここに抱っこしているアカンボ(この表記も伊藤さんのまねっこ)もやがて思春期には...って戦々恐々としつつも覚悟を決めたり。
 
今回もお話があって、お嬢さんの、思春期のころの話の中で「母親だと思って接するから大変なのであって、そうではなく『野生動物保護センター』の所長として接すれば、一時期は大事に保護するけれど、やがて野に返し、たまに戻ってきてくれたらうれしい...」とおっしゃっていて、笑いながらもそうだなぁと思ってしみました。サイン会のときにその話をしたら、わたしの名前の横に書いてくださいましたよ...うー、宝物だ(涙)。

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今回は「リフカの旅」を中心にカレン・ヘスの本を紹介する...ということだったけれど、それだけにとどまらず、お嬢さんたちのこと、カリフォルニアでの暮らし、翻訳について、絵本(きみの行く道)のこと...そして、「リフカの旅」「ビリー・ジョーの大地」に今日」の朗読...「読み人知らず」の詩を訳したものなんですが(Webへの転載可らしい)、もとからこの詩は知っていたけれど、伊藤さんご自身の朗読を聴きながら涙が出ました。

今日、
わたしはお皿を洗わなかった
ベッドはぐちゃぐちゃ

浸けといたおむつは
だんだんくさくなってきた

きのうこぼした食べかすが
床の上からわたしを見ている

窓ガラスはよごれすぎてアートみたい
雨が降るまでこのままだとおもう

人に見られたら
なんていわれるか

ひどいねえとか、だらしないとか

今日一日、何をしてたの? とか

わたしは、この子が眠るまで、おっぱいをやっていた
わたしは、この子が泣きやむまで、ずっとだっこしていた
わたしは、この子とかくれんぼした。
わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした、それはきゅうっと鳴った
わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった
わたしは、この子に、していいこととわるいことを、教えた

ほんとにいったい一日何をしていたのかな

たいしたことはしなかったね、たぶん、それはほんと
でもこう考えれば、
いいんじゃない?

今日一日、わたしは
澄んだ目をした、
髪のふわふわな、
この子のために
すごく大切なことを
していたんだって

そしてもし、
そっちのほうがほんとなら、
わたしはちゃーんとやったわけだ

 

 

今日 (福音館の単行本)

今日 (福音館の単行本)

 

子どものことだけでなくて、もう少し先の自分に興味を持てる本もたくさんあるから順番に読みたい。ほんとうに行ってよかった。